染め
着物の染色技法を革に応用した染めによって、美しく繊細な革製品の表情を作っています。
革を染める
AKIITOでは着物の染色技法を革の染色に取り入れています。革の染めを研究し、着物らしい色合いや、繊細な表現を革製品で実現しています。
本牛革などの天然皮革は、表面に傷やしわなどがあります。革の個体差によって、傷の部分だけ濃く染まってしまったり、あるいは色が入らずにムラができるため、安定した染色が課題です。
製品の完成形を想像し、傷の有無の見極めや、染めの仕上がりを意識した裁断といった、一つ一つの工程の技術力が、製品作りを支えています。
染めについて
染色とは生地に色や柄を染め付ける技法のことを言います。繊維など染める素材によって、染めるための染料・顔料や染色方法が異なります。色が落ちていかないようにするために様々な技術が使われます。
世界各地にはたくさんの染色技法があり、古代から世界各地に広まっていました。産業として染色が本格的になったのは、11〜12世紀のイギリスと言われています。
日本では江戸時代に日本独自の染色技術が発展してきたと言われます。日本の染色技術は、色をつけることだけではなく、柄を染めるといった点で、独自の染色技法として確立してきました。
撒糊染め
撒糊染めは、糊を竹の皮に薄く塗って乾かし、細かく砕いたものを生地にパラパラと撒き、引き染めをします。雪が降っているかのような柄になります。
墨流し染め
墨流し染めは、水糊に染料を浮かせて櫛で柄をつくり、写しとる技法です。「水墨(墨)流す」=「黒(苦労)を流す」という演技のいい柄です。
絞り箱ローケツ染め
絞り箱ローケツ染めは、箱の中で革をよせて固定して押さえておいて、染料をかけて何色もの色を使って染めていきます。
染めと染め残しの、柄や色が特徴的な染色技法です。染めた生地の表面にできる凹凸や立体感、色のにじみやぼかし具合などが特徴です。現代でも馴染み深く、目にすることが多い染色技法です。
写真の絞り箱ローケツ染めは、3色を使って染めています。1色染めた革をひろげて、箱の中で新たに革をよせて固定して、2色目の染料をかけて染めて、また革をひろげてもう一度革をよせて、3色目の染料をかけて染めています。
しけ引き染め
しけ引き染めは、繊細な線と色の重なりが特徴的な染色技法です。職人がしけ刷毛を使い、手作業で縞模様を染めていきます。職人の技と感覚によって、線の強弱や色の濃淡を持った特徴的な染めが生み出されます。
巻き上げ絞り染め
巻き上げ絞り染めは、糸を生地に巻き付け縛り上げ、染料が染み込まないようにすることで、柄を作り出します。
染めと染め残しの、柄や色が特徴的な染色技法です。染めた生地の表面にできる凹凸や立体感、色のにじみやぼかし具合などが特徴です。現代でも馴染み深く、目にすることが多い染色技法です。
この技法は世界各国の染色にも見られますが、日本の絞り染めは、柄の作り方や、縛り方の工夫など独自の進化を遂げてきました。
型染め
型染めは、型紙を使って模様を染める染色技法です。ヘラで型紙の上から防染糊を置き文様を移していきます。
糊がついた箇所には染料が染み込まず下地が残り柄となります。その後、防染糊を水で洗い落して色止めをします。